大腸カメラについて
大腸カメラは、肛門から内視鏡を挿入して、内視鏡に搭載された小さなカメラで直腸から盲腸までの炎症やポリープ、がんなどを調べる検査機器です。直接観察することで、他の検査では識別困難だった大腸の色調変化や粘膜面の変化まで観察可能で、小さなポリープも発見できます。
検査中に疑わしい部位が見つかった場合には、内視鏡で生検のための組織採取もでき、小さなポリープを安全に切除することも可能です。
大腸がんは、近年の食事やライフスタイルの欧米化に伴って増え続けている病気です。早期発見して適切な治療を行えば、日常生活やお仕事にほとんど影響なく治すこともできますが、精度の高い内視鏡検査を行わなければ発見が難しいのが現状です。
当クリニックの内視鏡検査では、大腸の粘膜を直接、くまなく観察することはもちろん、特殊な光を使ったり、100倍に拡大することでより精度が高く正確な診断を可能にしています。
大腸カメラでわかる病気
以下の症状が続いている場合、大腸に何らかの病気を患っている可能性がありますので、大腸カメラを行うことをおすすめします。
- 血便がある
- 便秘や下痢など便通の異常がある
- 腹痛や膨満感がある
- 貧血を指摘された
- 最近、急激に体重が減った
- 健診で便潜血検査の異常を指摘された
- 以前、大腸ポリープや大腸がんを治療したことがある
大腸カメラ検査が有効な消化器系疾患
大腸ポリープ、大腸がん、炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)、大腸憩室症(腸管内壁が一部、外側に向かって袋状に飛び出している状態)、虚血性腸炎 (血流障害で大腸粘膜に炎症や潰瘍が生じ、突然の腹痛や下痢、下血が起こる疾患)など
当院の特徴
豊富な経験と知識により、苦痛の少ない検査を実現
当クリニックの医師やスタッフは、大腸カメラにまつわる確かな技術と豊富な経験を持ち、苦痛の少ない大腸内視鏡検査が可能となっております。
最新機器と少量の鎮静剤を組み合わせることで、大腸内視鏡検査が苦手な方や、初めてで不安な方でも安心して検査を受けられるようにしています。
より精度の高い最新の検査機器を導入
当クリニックの大腸内視鏡検査機器は、がんセンターや大学病院で使用されている機器と同等の高精度なものとなっております。
精度が高いので、小さな病変も見落としにくく、なおかつ検査時間を短縮できます。
狭帯域光観察(NBI)で小さな病変の見落としを防ぐ
当クリニックの検査機器には「狭帯域光観察(NBI)」が搭載されており、特殊な光を当てることで、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示できます。
NBIを使った観察により、通常では見つけるのが難しい、小さな病変も見落とすことなく診断可能です。
また、病変を100倍まで拡大する拡大内視鏡も搭載されており、良性か悪性(がん)かの判断を瞬時に行えます。
日帰りでできる内視鏡による大腸ポリープ切除
現在では、内視鏡に関する技術やクリップ法などの止血技術の進歩によって、ポリープの切除手術を日帰りで行うことができます。
しかし、一般的に大腸内視鏡検査でポリープが見つかった場合、改めて別日に手術の予約をして切除するという流れになり、時間的な負担はもちろん、前日の食事制限や当日の下剤服用などを繰り返す必要があるため、患者様の大きな手間となります。
そこで、当クリニックでは、検査で大腸ポリープが発見された場合、基本的に検査と同日に内視鏡的ポリープ切除を行っています。検査と切除を同日に行うことで、医療費は入院治療の約3分の1となり、大幅な削減を可能にしています。
二酸化炭素送気の使用
大腸カメラ検査では、しぼんだ腸を膨らませることで、すみずみまで観察することが可能になります。
その際、通常は空気を送り込んで腸を膨らませていますが、そのせいで不快な腹部膨満感が起こり、検査後もなかなか収まりませんでした。当クリニックでは空気ではなく、吸収の早い二酸化炭素を使い、お腹の張りを大幅に抑えています。
二酸化炭素は吸収されやすいだけでなく呼気で自然に排出されるため、患者様の身体への負担も少なくなっています。検査終了時にはお腹の張りがほとんどなくなっており、腹部膨満感が残ることもありません。なお、大腸カメラだけでなく、胃カメラ検査でもすべての症例に二酸化炭素を使用した検査を行っています。
日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡技師在籍
当クリニックには、日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡技師が在籍しております。
内視鏡検査技師とは、看護師や臨床検査技師など、医療関連の資格を持つ医療従事者が、実務経験を経て定められた認定試験に合格した技師のことです。
患者様に安心して内視鏡検査を受けていただくために、医師をはじめ、スタッフの知識も高水準に保っております。
軽い静脈麻酔の併用
静脈に鎮静剤や鎮痛剤を適量注射し、軽く居眠りをしているような浅い麻酔状態で大腸カメラ検査を行うことで、苦痛を感じないようにしています。これは意識下鎮静法(セデーション)とも呼ばれています。
当院では、ご希望の患者様にこの方法を用いた大腸内視鏡検査を行っています。ただし、重篤な疾患がある場合や、ご高齢の場合にはこの方法を用いることができない場合もあります。
意識下鎮静法での検査終了後は、可動式の検査ベッドに横たわった状態でリカバリー室に移動し、目が覚めるまでリカバリー室でゆっくりお休みいただきます。目を覚ますまでの時間は30分~2時間程度と個人差があります。
なお、検査後、当日の自動車や自転車の運転は禁止となっておりますので、ご来院の際には公共交通機関をご利用ください。
最新の画像強調観察技術で小さな病変も見つける精密検査
NBI(狭帯域光観察)とは、特殊な光を使って通常の内視鏡検査ではわからない病変を見つける機材です。当クリニックの内視鏡にはこのNBIが搭載されており、スイッチで切りかえることで観察が可能です。病変を発見した際には、手術の必要性や、ポリープ切除が必要かどうかなど、同時に精密検査を行うことも可能です。
早期がんは、最初に粘膜表面の毛細血管が変化します。NBIはこうした変化を強調して画像に表示することができます。以前は色素をまいて病変をはっきりさせていたのですが、患者様に刺激症状が出ることがありました。光を変えるNBIは患者様の身体への負担がなく、より高精度な検査が可能です。
NBIを使用した内視鏡検査は、大学病院などの大きな医療機関でも十分に検査できるドクターが少ないほど、確かな技術と経験が必要です。当クリニックでは、豊富な経験を元に、精度の高い検査を提供いたします。
また、当院のNBI診断では、拡大内視鏡による観察をほぼ全例で取り入れておりますので、より病変の早期発見が可能となります。
大腸ポリープ切除に対応
当クリニックでは、検査時に大腸ポリープが発見された場合、その場で切除することが可能です。
大腸ポリープはがん化する恐れがありますので、切除することでがんの予防にもなります。当院で対応できないものに関しては、専門病院を紹介いたしますのでご安心ください。
大腸カメラの流れ
検査前日と当日の注意点
検査前日
- 大腸内に、食べたの物が残らないようにすること
- 検査前に飲む下剤の量を少なくするため
検査当日
検査終了まで、飲食・服薬は禁止です。煙草も吸わないでください。
下剤の服用
大腸をきれいにするために、下剤1.5~2リットルを数回に分けて飲みます。飲む量は患者様によって異なりますので、医師にご確認ください。
検査の手順
1.検査前の準備
肩の力を抜いて、リラックスしていただきます。ご希望がある場合には、鎮静剤の注射を行います。
2.検査開始
肛門から内視鏡を挿入し、腸を引き延ばさないよう、ゆっくりと盲腸まで進めます。炭酸ガスで膨らませながら、モニターに映る腸の内部をすみずみまで観察します。検査は約20~30分で終了します。
3.検査終了
終了後はリカバリールームで横になり、休んでいただきます。腸内に炭酸ガスが多少残っておりますので、ガスを出してください。
検査中にポリープ切除などの治療がなかった場合は、1時間後から飲食可能です。検査当日はシャワー程度にしてください。
また、車の運転や激しい運動は避けましょう。検査終了後、ご帰宅してから気になる症状があった際には、すぐに医師にご連絡ください。
検査費用
1割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|
大腸カメラ(大腸内視鏡) | 約2,000円 | 約6,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(1部位) | 約9,000円 | 約24,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(2部位) | 約10,000円 | 約27,000円 |
大腸内視鏡+ポリープ切除(3部位) | 約11,000円 | 約30,000円 |
※病変があり組織検査を施行した場合は上記金額にプラス1部位につき、およそ4,000円~11,000円(3割負担の方)かかります。